紙が当たり前だった時代を思い返すとき
2025年11月16日 16:01

最近、公共料金や各種サービスで“紙の請求書は有料”という案内が増えています。
負担が嫌で仕方なく電子に切り替える人もいれば、料金を払ってでも紙を手元に残したい人もいます。
紙の請求書は、ただの明細ではありませんでした。
封筒を開け、内容を確認し、支払いの日程を考える。
ほんの短い時間でも「生活の管理をしている」という実感につながっていました。
電子化は確かに便利です。
通知が届き、ワンタップで内容を確認できるのは助かります。
ただ、便利になるほど手触りのない世界になり、
生活の区切りが少し曖昧にも感じられます。
紙を残すか、電子にするか。
それは節約や効率だけの問題ではなく、
自分の生活をどんな形で管理したいかという“感覚の選択”にも思えます。
時代がどれだけ変わっても、
人には“確認した”という手応えや、
“整っている”という静かな安心が必要です。
紙の請求書の有料化は、そんな感覚を改めて思い出させる出来事だと思います。


