お泊まり
2025年07月11日 07:24
昨夜は久しぶりの女子会。
同じような立場の奥様たちと集まって、上品なワインを傾けながら、尽きることのない会話に花が咲いた。
そして、誰からともなく「今夜は泊まっていこうか」と自然な流れになり、私は彼女たちとともに、東銀座の某ホテルに泊まることになった。
——朝。
陽ざしがレースのカーテン越しに静かに差し込む中、ふと目が覚める。
隣の部屋では、まだ誰かが静かに寝息を立てているようだった。
けれど、私は一人、そっとシーツの中で身をよじる。
身体の奥に、昨夜から残る熱。
あの話題になったとき、私の中で疼き始めた何かが、まだ消えずにいる。
——「ご主人、また出張なの?」
誰かの何気ないひと言に、私はただ微笑んでうなずいた。
でも本当は、その言葉に心が少し揺れたのだ。
女としての私が、今も確かに存在していることを、あのとき強く感じてしまったから。
誰にも気づかれないように、私はゆっくりとシーツを握りしめる。
疼きを、そっと隠すように。
——朝の光の中、私は女としての「秘密」を、静かに抱きしめていた。