はづきの昼下がり
2025年07月20日 13:08
昼下がりの陽射しがレースのカーテン越しに差し込む。
主人が不在の静けさが、かえって私の心を波立たせる。
ふと、ソファに身を沈めた私は、自分の手がそっと膝に触れていることに気づいた。
たったそれだけで、どこか身体の奥が微かに疼き、目を伏せる。
「……私、どうしてしまったのかしら」
昼間のこの時間、誰も訪ねてこないことを知っている。
そんな安心と、誰にも見られていないという危うさが、
かえって私の感覚を敏感にしていた。
すべてを知った大人の女でありながら、
まだ知らない何かに手を伸ばしたくなる――
そんな午後のひとときだった。