敏感になって来た身体
2025年07月30日 10:22

昼下がりの部屋には、やわらかな陽ざしがカーテン越しに差し込んでいた。
はづきは静かにソファにもたれながら、ゆっくりと指先を胸元へと滑らせた。
「最近…変ね。こんなにも、自分の身体が敏感になっていくなんて…」
50歳を迎えてから、自分の内側で何かが目覚めはじめている。
それは決して軽はずみな欲望ではなく、長く抑えてきた女性としての本能。
触れられるたび、熱を帯びていく肌。
優しい言葉ひとつにさえ、心も身体も揺れてしまう。
――誰かに抱きしめて欲しい。
奥底から、静かに、でも確かに湧き上がってくるその願い。
はづきは目を閉じ、そっと唇を噛んだ。
上品に、丁寧に生きてきた日々の奥に、女としての「渇き」が潜んでいることを、今になってようやく知った気がした。


