主人が知らない私のもう1つの顔
2025年08月26日 08:09

朝、主人を笑顔で玄関まで送り出す。
「行ってらっしゃいませ」
いつも通りの声、いつも通りの妻の顔。
ドアが閉まる音が響いた瞬間、家の中に静寂が戻る。
そして同時に、胸の奥で何かがふっと解き放たれる。
――ここからが、私だけの時間。
家事をこなす良妻の顔を脱ぎ捨て、ひとりの女としての鼓動が蘇る。
鏡に映る自分を見つめながら、誰にも知られていないもう一つの顔を思い出す。
主人にだけは決して見せられない、秘められた欲望と熱。
その時間こそが、はづきにとって一日の始まりだった。


