貴方に抱い欲しい
2025年09月09日 13:10
昼――
強い陽射しが窓辺のカーテンを透かし、
白く光るその眩しさの中で、時間だけがゆっくりと流れていた。
はづきはひとり、静かな部屋の中で胸の奥の熱を持て余していた。
午前中に片づけた家事も、昼食の準備も終え、
手持ち無沙汰なはずのその時間に、ふと、身体が別の願いを訴えはじめる。
――抱かれたい。
誰かの腕に包まれて、女としての鼓動を確かめたい。
頭では抑えようとするのに、
身体だけが正直に、昼の光の中で疼いていく。
静かな午後。
世界は何事もないように続いているのに、
はづきの内側だけが、ひそやかに熱を求めていた。