慰める
2025年10月03日 09:08

朝の光が差し込む寝室は静かで、聞こえるのは自分の鼓動と浅い吐息だけ。
主人は海外にいる――この部屋には私しかいない。
けれど、そんな孤独さえも今は甘い背徳の合図になっていた。
シーツの上に横たわりながら、はづきはそっと瞼を閉じる。
思い出すのは夢の続き。
強く抱きしめられた感触、熱を帯びた声、身体を支配される悦び。
それらを胸に描くだけで、呼吸が熱を帯び、指先が無意識に動いてしまう。
自分の手で、自分の欲望をなぞる――
他の誰にも知られない、秘密の朝の儀式。
触れるたびに小さな波が押し寄せ、身体の奥に眠る渇きが次第にほぐれていく。
静けさの中、甘い吐息がもれ、背中がシーツに沈み込んだ。
「もっと…」
声に出してしまえば、余計に疼きは増す。
けれど、その衝動に抗う気はなかった。
ただ、快感の波に身を任せ、ひとりきりの世界で女としての悦びを確かめ続ける。
朝の光は無垢に輝いているのに、はづきの身体は夜よりも濃い熱に浸されていた。
その時間は、誰にも邪魔されない、自分だけの甘美な救いだった。


