はづきの余韻
2025年10月07日 13:01

昼下がりの光は柔らかく、部屋の空気をゆるやかに温めていた。
はづきは静かにソファにもたれ、ぼんやりと指先を見つめていた。
何をするでもなく、ただ心の奥に溜まっていく熱に、どうしようもなく身を委ねるしかない。
誰かを求めているわけじゃない。
けれど、誰かに触れられたような錯覚が、ふと胸を締めつけた。
風がレースのカーテンを揺らし、その音にさえ、どこか遠い記憶の温もりを感じてしまう。
理性の奥で、微かに疼くような感情。
それは恥ではなく、女として生きてきた証のようにも思えた。
午後の陽射しが静かに傾くころ、はづきはひとり、
胸の奥に残る余韻とともに、ゆっくりと目を閉じた。


