夜中に思い返す
2025年10月15日 03:01

夜、部屋の明かりを落とすと、静けさが一気に押し寄せてきた。
ベッドに身を沈めたはづきは、昼間の出来事をふと思い返してしまう。
忘れようとしても、あの瞬間の感覚だけが、
心のどこかに薄く残って離れなかった。
何も特別なことはなかったはずなのに――
言葉の端、視線の角度、空気の温度。
ひとつひとつが胸の奥に刻まれていて、
思い出すたび、息が浅くなる。
「どうして、こんなに…」
自分に問いかけながら、はづきは目を閉じた。
理性の奥で、微かな熱が静かに蘇っていく。
それは恥ずかしくもあり、どこか心地よい痛みでもあった。
窓の外では風が吹き、カーテンが静かに揺れる。
夜は深まり、記憶と感情の境界がぼやけていく。
はづきはただ、胸の奥に残るその余韻を抱いたまま、
眠りに落ちていった。


