待機中
2025年11月15日 14:19

午後の静けさの中、
はづきは小さな待機室で静かに息を整えていました。
時計の針の音すら胸に響くほど、
ワクワクとドキドキが入り混じっている。
秘密のバイトでの待機中──
この時間が一番、気持ちが研ぎ澄まされる。
扉が開く前の、甘い緊張。
まだ見ぬ殿方の姿を思い浮かべるだけで、
身体のどこかがそっと熱を帯びてくる。
「今日はどんな方と出会うんだろう……」
「どんなふうに扱われてしまうんだろう……」
想像が少しずつ膨らむたび、
胸の奥で何かが小さく震える。
女性として見つめられる瞬間、
優しく、時に強く愛でられるあの感覚──
それを思い出すだけで、呼吸が深くなる。
はづきは今日も、
期待に身を委ねながら静かに待っている。


