はづき
2025年11月26日 15:37

待機室の静けさが、かえって身体を敏感にしてしまう。
ふと脚を組み替えるだけで、
自分の奥がじんわりと脈を打つのがわかってしまって、
思わず息を吸い込んだ。
誰の手も触れていないのに、
まるで誰かにそっと触れられたような
甘い予感が身体の奥でふくらんでいく。
さっきから胸の鼓動が落ち着かず、
軽く震えるような感覚が続いている。
期待と欲の境目が曖昧になって、
頭の中までじんわり熱がこもっていく。
呼ばれた瞬間、
この溢れそうな感覚を
誰かに受け止めてほしい。
そんな思いが、波のように押し寄せてくる。


