【日記詳細】 星野はづき(51) T160/B98(G)/W63/H88

はづきの頭の中

2026年02月15日 08:28

主人は一年の半分以上を海外で過ごす。

静まり返った家に残るのは、私と、十四歳になるマルチーズのMOMOちゃんだけ。

小さな足音と、柔らかな体温がそばにあるだけで、

この家はどうにか“生活”を保っている。


子供はいない。

最初は少し寂しかったけれど、

いつの頃からか私は、その空白を“自由”と呼ぶようになった。


昼はエステの仕事。

肌に触れるたび、呼吸が緩み、

人はこんなにも簡単に心を預けてしまうのだと、

何度も実感する。


夜は天然石の事業。

石を手に取ると、不思議と身体の奥がざわめく。

「欲しい」と願う気持ちには、

美しさも、いやらしさも、どちらも宿るのだと知っている。


そして週に三日だけ――

私は“別の顔”を持つ。


趣味と実益。

そう言い聞かせて始めたデリヘリの仕事は、

気づけば、私の“女”を確かに目覚めさせていた。


誰かに見つめられること。

求められること。

名前を呼ばれること。


そのたびに、

頭の中は静かに、でも確実に熱を帯びていく。


はづきは、いつも考えている。

言葉の間。

沈黙の距離。

指先が触れる“その前”の空気。


何も起きていないはずなのに、

想像だけで、胸の奥がきゅっと締めつけられる。


それが、私の性(さが)なのだと思う。


MOMOちゃんを膝に乗せ、

夜のソファでひとりで紅茶を飲む。

主人のいない時間。

誰にも見られていない、私だけの世界。


その中で、

私は今日も、

頭の中だけで、

何度も、何度も――

“女”になっている。


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