母方の祖母
2025年06月04日 05:24
33歳で夫を亡くし
それからは親の介護や孫の世話 畑仕事に追われ
92歳で亡くなった
父も母も仕事が忙しかったので いつも祖母の家に入り浸っていた
心の教育をしてくれたのは祖母だ
米粒には何人だかは忘れたけど神様が宿るから最後の一粒まで残さずに きちんと食べる
とか
本の上には絶対に物を置かない
とか
いまだに祖母に教わった迷信みたいなやつを信じこんで実践している
いつも添い寝をしてくれて
祖母オリジナルバージョンの昔話
“ぐす と がた„ が大好きだった
寝言のように聞かせてくれるので呪文のように一語一句を覚えてしまった
甘いものが苦手になったのも祖母の せいだ
学校から帰っての おやつ といえば
甘ったるい手作りの おはぎや ぜんざい
仏壇に供えてあった賞味期限切れの 蓮の形をした落雁や最中だ
彼岸には あんこたっぷりのおはぎ
節句には竹の皮に もち米を包み ちまきを作る
暮れには 父方の祖母と 母と一緒に
熱い できたての餅を丸めるのが恒例だった
いつも私の味方でいてくれ 父とぶつかるたびに祖母の家に逃げ込んだ
父が怒鳴りこんでくると いつもは温厚な祖母が父を追い返してくれた
東京に でてきて
祖母と よく文通をした
夫の遺品整理をしていたら懐かしい手紙をみつけた
一生の私の たからもの