【日記詳細】 星野はづき(50) T160/B98(G)/W63/H88

はづきの恋(妄想日記)

2025年07月26日 08:47

50歳になっても、恋という言葉が胸の奥を震わせるなんて──

はづきはそんな自分を、どこか可笑しく思いながらも否定できなかった。


夫は相変わらず海外出張続き。家は広すぎて、夜になると寂しさが響いてくる。

そんなある日、大学時代の同級生・篤志(あつし)と偶然、再会した。

彼も離婚を経て、今はひとりだという。

変わらぬ優しさに触れるたび、はづきの胸の奥が疼いた。


夜のカフェ、誰もいないテラス席。

ワインを飲みながら、はづきはぽつりとこぼした。


「……ねぇ、抱きしめて欲しいって思うの、いけないことかしら」


篤志は黙ってグラスを置き、そっと腕を伸ばした。

はづきの肩を包むように、優しく、確かに。


胸に顔をうずめながら、彼女は静かに目を閉じた。

若さではない、身体のぬくもりだけでもない。

ただ、心が欲しかった。

誰かに触れていたい、そんな願いを、言葉ではなく抱擁で伝えてくれた彼に──

はづきは、初めて”恋”という名のため息を、夜空にそっと吐いた。


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