1人の朝
2025年09月04日 09:36

朝の光がカーテンの隙間から差し込み、白いシーツをやわらかく照らしていた。
寝室には、もう誰の気配もない。ただ、昨日の熱だけが、まだ消えきらずに残っている。
ひとりでベッドに横たわりながら、胸の奥に広がるのは、罪悪感でも後悔でもない。
それは、どうしようもなく女である自分を確かめさせられた悦びだった。
指先が無意識に首筋をなぞると、ほんのかすかに、触れられた痕がまだそこにある。
その感触が、また身体の奥をじわりと熱くさせる。
「まだ…足りない」
心の奥でそうつぶやいた瞬間、自分でも驚くほど素直に、身体が疼いていた。
外の世界は、いつも通りの朝を迎えている。
だけど、私はまだ夜の熱に縛られているまま――
主人が遠く海外で働いているあいだに、目覚めてしまったこの渇き。
それをどうすればいいのか、もうわかっているのに、抗う気持ちはどこにもなかった。


