はづきの朝
2025年09月20日 06:30
朝――
窓を開けると、ひんやりとした風が頬を撫でた。
夏の名残をわずかに含みながらも、その中に確かに秋の気配が混じっている。
澄んだ空気と、ほんの少し乾いた匂い。
はづきは、その風を胸いっぱいに吸い込みながらも、
どこか取り残されたような寂しさを覚えていた。
季節が移ろうように、自分の心も、身体もまた変わっていく。
――疼く。
秋の冷たさが、逆に身体の奥の熱を際立たせる。
寂しさと疼きが重なり合い、
どうしようもなく女の感覚を呼び覚ましてしまう。
穏やかな朝の景色の中で、
はづきの胸の奥だけが、ひそやかに熱を帯びていた。