【日記詳細】 星野はづき(51) T160/B98(G)/W63/H88

願望

2025年09月21日 01:11

真夜中――

時計の針は無情にも進み、部屋は深い静寂に包まれている。

はづきの胸の中では、昼間から募った欲求が今まさに爆ぜそうで、布団の重ささえも窮屈に感じられた。


「抱かれたい…」

囁きにもならない声が唇の端で震える。想像は容赦なく現実を侵食し、誰かの腕に包まれる感覚、肩に落ちる温もり、胸に耳を寄せられたときの安心感が鮮やかに迫る。


窓の外の街灯がほのかに差す中、はづきは枕を抱き締める。ぬくもりの代わりに自分の手を取り、呼吸を合わせるようにゆっくりと体を揺らした。指先が布団の織り目をなぞるたびに、期待と切なさが交互に胸を締めつける。


真夜中の静けさは残酷でもあり、優しくもある。誰も知らないこの時間に、はづきの内側だけが激しく生きている。


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