また1人に
2025年09月28日 15:01

昼下がり――。
主人は今朝、スーツケースを抱えて再び海外へ。
玄関で「気をつけて」と笑顔で送り出したものの、
扉が閉まった瞬間、心も身体もぽっかりと穴が空いたように寂しくなった。
熱っぽい身体を布団に沈めながら、ぼんやりと天井を見つめる。
風邪はまだ治りきっていない。
咳をひとつこぼして、胸の奥がじんわり痛む。
けれど、もっと切ないのは――心の渇き。
「寂しい……」
呟きが自分の耳に届くたび、余計に胸が苦しくなる。
寝返りを打って、シーツに顔をうずめた。
なのに、布団の中で疼く熱は消えてくれない。
病の熱と、欲の熱とが、身体の奥で絡み合っている。
やがて手が、自然と下の方へと動いてしまう。
「いけない」と思いながらも、止められない。
昼間の静かな部屋に、乱れた吐息がこぼれていく。
――ひとりで慰めるしかない。
寂しさと疼きを、誰も知らない秘密のまま。


