絶頂
2025年10月06日 09:46

カーテンの隙間からこぼれる朝の光が、白いシーツの上に淡く広がっていた。
はづきは目を閉じたまま、静かに呼吸を整える。
胸の奥で、何かが溶けていくような感覚。
長く張りつめていた糸が、ふっと緩む瞬間――心も身体も、同時にほどけていく。
押し寄せては引いていく波のように、鼓動がゆるやかに落ち着きを取り戻していく。
窓の外では、小鳥の声が聞こえ始め、朝がゆっくりと街を満たしていた。
はづきは、指先を胸の上に置いたまま、しばらくその温もりを感じていた。
何も考えず、ただ今という瞬間に身を預ける。
その静けさの中には、罪でも、孤独でもない――
ただ一人の女性として、心の奥を解き放った後の、穏やかな安堵があった。
光が少しずつ強さを増し、部屋の輪郭を照らしていく。
はづきはゆっくりと目を開け、微笑んだ。
どこか満たされたような、そして少しだけ切ない朝の笑みだった。


