はづきの身体の熱が
2025年10月10日 12:03

昼間――。
窓から差し込む光がカーテン越しにやわらかく揺れている。
外では子どもの声や車の音がして、世界はいつも通りの昼を過ごしている。
けれど、はづきの中ではまだ朝の熱が消えていなかった。
何をしても、ふとした瞬間に昨日のことを思い出してしまう。
胸の奥がじんわり疼き、身体のどこかが求めるように熱を帯びていく。
「だめ……」と呟きながらも、意識の奥ではその感覚を手放せない。
思い出の中の優しさ、息づかい、体温。
それを追うように、指先が無意識にシーツをつかんだ。
外の明るさと裏腹に、部屋の中には密やかな影。
はづきの世界だけが、静かに熱を宿していた。


