五反田へ向かいます。
2025年11月11日 11:01

朝の街はまだ静かで、
冷たい空気が頬をかすめる。
はづきはコートを着て、
駅へと続く道をゆっくり歩いていた。
吐く息が揺れ、
足音だけが小さく響く。
――今日も、秘密のバイト。
その言葉を心の中で繰り返すたびに、
胸の奥が少し高鳴る。
不安もあるけれど、それ以上に感じるのは、
また誰かの笑顔と出会える喜び。
改札を抜け、電車に乗り込む。
窓の外を流れていく景色を見ながら、
はづきは静かに深呼吸をした。
「今日もきっと、良い一日になりますように。」
そんな小さな祈りを胸に、
朝の光の中へと溶け込んでいった。


