(無題)
2025年09月23日 07:11
朝――
「行ってらっしゃいませ」と笑顔で見送り、
角を曲がって姿が消えるまで、いつもの良き妻を演じた。
ドアを閉めた瞬間、家の中に静寂が広がる。
その沈黙が、今日という日の始まりを告げていた。
――今日は、秘密のバイトの日。
胸の奥が高鳴り、身体はすでに正直に反応している。
まだ何も始まっていないのに、期待だけで奥がじんわり熱を帯び、
下着越しに自分の濡れを感じてしまう。
良き妻の仮面を脱ぎ捨てる朝。
ひとりの女として乱れることを知ってしまった私の身体は、
もう後戻りできないほどに疼いている。
――この秘密を、主人は永遠に知らない。
その背徳が、さらに火を点けてしまうのだ。